お金より大切なもの2024年01月19日 15:40

昨日は、”被災地においてはお金よりも物が大切”という話を書きました。

では、平時はどうなのでしょうか?

もう20年以上も前の話ですが、若い頃、当時のビジネスの世界の”常識”として、お金があれば世界中から欲しいものが何でも買えると習いました。不動産や機械はお金にはすぐに換えられない、でも、お金があれば買いたいものが買える(しかも最も品質が良くて安いものが!)と思っていました。
当時はいわゆるグローバリズムが全盛の時代。お金や物が国境を越えて自由に取引されると信じられていました。

ところが現在はどうでしょうか?
ロシアウクライナの戦争で、ロシアがドイツへの天然ガスの供給を止めました。ロシアは天然ガスの輸出の代金をルーブルで支払うように要求。天然ガスなんてドルがあれば買えると思っていたら、このケースでは、ドルよりもルーブル、天然ガスの方が貴重な財になりました。
現在進行形ですが、フーシ派の商船攻撃でスエズ運河を避けて喜望峰まわりにする船が増えれば、当然物の値段は上がります。
もはや、お金があれば安くていいものが何でも買える時代は過去のものになったかのようです。

”お金があれば何でも買える”と思っていた自分の考え方は間違っていたのではないかと思うようになりました。世界が平和で、安全に貿易ができるという前提があれば、この考え方は正しいのかもしれません。でも、その前提が崩れたら・・・・そんなものは常識でもなんでもありません。あるものを常識として知らず知らずのうちに前提にしてしまうことがありますが、落ち着いて、その常識には前提はないのか?前提が変わったらどうなるのか?と考えてみる必要があるのではないでしょうか。