リスクフリーレート2024年01月30日 16:52

先日、個人向け国債を買った話を書きましたが、そのときに「リスクフリーレート」という言葉を思い出しました。

財務や経営の世界では「リスクフリーレート」という言葉を使います。文字通り”リスクのない投資の金利”のこと。いろんな投資を行う際に当然大なり小なりリスクがあるのですが、その投資を行う際に、どのくらいの利回りが期待できるのか試算する際に、比較の基準となるのがリスクフリーレートとなります。
リスクフリーレートに使うのは一般的に国債の金利。たとえば、国債の金利が3%の場合、ある投資を行って得られる金利が2%と計算された場合、その投資はやめるべきという判断になります。なぜなら、リスクをとって2%の金利しか得られないなら、リスクのない国債を買った方がましだという考え方になるからです。リスクフリーレートを上回る金利が期待できる場合、そのリスクとの見合いで投資するかどうか判断することになります。

実はこの言葉を知ったのはもう20年以上前になります。
当時、この説明を聞いたときは、「国債はリスクフリーではない」「日本が財政破綻したらどうなるの?」と思って、この言葉の意味を額面通り受け入れることができませんでした。
その当時は、財政破綻論を信じていたんですね。

でも、いまは日本の国債がリスクフリーであると説明できます。
日本が発行している国債はすべて自国通貨建て。償還できなることはありえません。償還期限が来たら新規国債を発行して借り換えるだけ。日本銀行は日銀当座預金を供給して国債を買い取れるので、イールドカーブコントロールも自在にできてしまいます(ということを、過去数年で証明してしまいました)。
国債がデフォルトした国は、ロシアのように外国通貨(ドル)建てであったり、ギリシャのように共通通貨(ユーロ)建てであったりします。日本とはそもそもの前提が異なります。

銀行口座に置いていても得られる金利はごくわずか。国債なら多少なりとも金利が付きます。(現在は0.4%)
今回、安心して国債を購入したのも、このことが完全に理解できているからです。20年前だったら絶対に買いませんでしたが。(もっともその頃は買う金がなかったですがね)

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